和楽器バンド「ALL TIME BEST ALBUM THANKS 〜八奏ノ音〜」ジャケットの衣装デザイン/制作をしました。I designed/created the costumes for WagakkiBand's "ALL TIME BEST ALBUM THANKS 〜Yasou no Oto〜"cover.

和楽器バンドの集大成となる、ベストアルバムの衣装を担当させて頂きました!
※公式写真引用全て:和楽器バンド公式サイト
ちょうど10周年のタイミングで公開されたこちらのアー写
と2通りの見せ方ができる仕様となっております。
ファンの方はもうお気づきかもしれませんが、
バンドカラーの紫に、今までの衣装のディティールを踏襲したデザインです。
所々メンバーを跨って過去との共通点があるのものあります。
全員に和楽器バンドのロゴを家紋のように入れたのも、
この区切りだからこそのデザインです。

これまで通ってきた道のりや思い出を呼び起こす、
1つの区切りにふさわしく、衣装としての役割を全うできたら、
と思いながら制作しました。
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【ボーカル・鈴華ゆう子さん】
取り入れたデザインは、
八奏絵巻 / 暁ノ糸→ホルターネック
雪影ぼうし→スカートの赤い重なり

アイディアを出し合い最終的に彼女のデザイン画を具現化しました!
着物衿風のホルターネックは刺繍半衿を使用しました。
柄に合わせた髪飾りをされています♩
豪華な袋帯を使用し、コルセットと裾の飾りに。
こちらのスカートの生地も着物リメイクです。
ブーツにも似た模様を後から施しました。
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【箏・いぶくろ聖志さん】
取り入れたデザインは、
2016年大新年会 / Strong Fate→片袖のようなマント
カジュアルなアイテムの中にベルトでハードさをプラス。襟は献上柄です。
こちらの生地は着物を解いたものです。シンプルな黒地にスッキリとシャープな柄行き。
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【尺八・神永大輔さん】
出雲大社公演 / 日輪→パンツの脇切り替え
ボカロ三昧2 / フォニィ→パンツの前面の重なり
(少し分かりづらいかと存じますが、ウエスト部分で大きくタイパンツのように畳み、
裾に向かって重なりが消えていく感じ、が共通です)
白足袋をイメージして白ブーツを合わせました。

こちらも聖志さんと同じ襟の柄で、
羽織紐と着物袖をつけることで羽織を模しています。
大きいワイドパンツの脇を切り替えて日輪MVの時のように。
羽織から袴の紐を結んだようなディティールが覗きます。
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【津軽三味線・蜷川べにさん】
雪影ぼうし着物の片脱ぎ風
(片脱ぎ風は何度か作っていますが、雪影ぼうしが今回と最も近い形です)
衣紋が抜けるように作り、着物らしい美しさを表現。
漆の艶をイメージしたエナメルの細帯に、本物の帯締を使いました。
白ベースの着物を使うのは彼女のアイディアでした!
このアクセサリーも見覚えある方いらっしゃるはず、、、
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【和太鼓・黒流さん】
八奏絵巻 / 暁ノ糸→ショートジャケット&アームカバー&短巻きスカート
オトノエ / 細雪 & 砂漠の子守唄→ショートジャケット&手甲&太ベルト&長巻きスカート
黒流さん定番のスタイル詰め込み、ですね!
白い桜の着物地3人目。
10周年の方にはフードが付いています。

こちらは振袖からの生地です。
色味優先で選んだため、彼にしては可愛い色もある柄になってしまいましが、
刺繍なのに透かしのある、見事な汕頭刺繍の逸品でした。
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【ギター・町屋さん】
2016年大新年会 / Strong Fate→袴に着物の組み合わせ
ワイシャツと着物or羽織の組み合わせは町屋さんの定番でしたね!
ワイシャツのボタンは少し紋っぽいデザインのものに。
袴は重厚な本物をリメイク。
あえて袴は紐ではなくベルトの2本使いで着装します。
白い桜の着物地4人目
1着からぎりぎり4人分捻出しました。
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【ベース・亜沙さん】
四季彩 / オキノタユウ→ガウチョパンツと羽織の組み合わせ
アイテム、色、素材共に彼と逐一相談して決めました。
胸元に彼のアクセブランド"Automata Crown"のペンダントがあって完成するスタイル!
(彼の私物なのでトルソー写真にはありません)
羽織紐はあえてチェーンで!

袖口に何か装飾、は初期の頃によくリクエストされていたディティールです。

織の立体的な柄で質感に変化を。
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【ドラム・山葵さん】
生命のアリア→斜めベルト
雪影ぼうし→羽織に襷
センターにファスナースリットをつけたハーフパンツに、
レギンスというクセありな組み合わせ。

シャツと合わせた素材と装飾の襷は派手めに結んで。
10周年バージョンの時は、羽織を腰で留める役割をします。
このブレスレットの素材も見覚えが、、、?
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このベストアルバムで和楽器バンドさんは一旦活動休止期間に入られます。

デビューから(数名はデビュー前から)衣装をやらせて頂き、

本当に多くの衣装を作らせて頂きました。


思い返せば学校を卒業してから大した間も無く、

いきなり何段も飛び級したようにこの現場に1人で入る事になり、

お手本や先輩の居ない中、全てをこの現場で学ばせて頂きました。

そんな私を受け入れて下さり続けた事には感謝しかありません。

制作を頑張れたのは和楽器バンドが好きだったから、

そして指名してくれた事に対して恩返しがしたい、それに尽きます。


好きで着物を着て洋裁学校に行く事もあった私としては、

この和洋ミックスのスタイル、音楽は理想形でした。

彼らが音楽で表現する事を、同じ思いを持って衣装で表現するという感覚でした。


語りたいことは沢山ありますが、良い締めの言葉も見つかりませんが、、、

沢山の衣装を任せて頂けた、この事実と経験が色んな意味で人生の宝物と言えます!!

本当にありがとうございました!!

これからも必要とされる時があれば全力でサポートして参りたいと思っております!